猫に噛まれてしまったら。注意したい感染症とは?

猫に噛まれてしまったら 猫の豆知識




猫を飼われている飼い主さんでしたら、噛まれたり引っかかれてしまった事が数えきれないくらいあるかと思います。噛まれたり引っかかれたりして傷ができたり痛い思いをしても病院に行って治療する人はあまりいないのではないでしょうか。しかし、猫に噛まれたりして傷口から菌が入り感染症にかかると、命に関わる病気になる可能性があります。猫を飼われている方でもご存知ない方もいらっしゃるかと思います。私も実際に猫に噛まれて病院で治療するまでは知りませんでした。

猫に噛まれたときに注意したい感染症、実際に噛まれた後に病院で治療した体験談をご紹介します。

実は猫の口の中は菌がいっぱい!

猫の口の中には菌がいっぱい

動物から人間に感染する病気を「人獣共通感染症」といいます。猫の口の中には菌が常在していて、噛まれたまま放置しておくと傷口が悪化して化膿により腫れることがあります。感染症にかかり、最悪の場合命に関わる可能性もあるので、噛まれたところが膿んだり腫れたりしたときには特に注意が必要です

猫に噛まれたときに感染する恐れのある病気

猫に噛まれたり引っかかれても大したことはないと思い、わざわざ病院へ行く人は少ないと思います。ですが感染症にかかってしまうと、時には深刻な病気の原因になることがあります。代表的なものをいくつかご紹介します。

パスツレラ症

パスツレラ症とはパスツレラ菌の感染により、30分~2日で皮膚症状、呼吸器症状の出る病気です。パスツレラ菌の保有率は非常に高く、ほぼ100%の猫の口内に常在している菌です

ひかる
どんな猫でも必ずパスツレラ菌を持っています。

噛まれたり引っかかれたところに激痛やかゆみ、化膿によって腫れる症状が見られます。高齢者や糖尿病患者、抵抗力が弱いと重症化しやすく、敗血症や骨髄炎を引き起こし命に関わる可能性もあります。呼吸器官に疾患のある人は肺炎を起こす可能性もあります。

パスツレラ症は猫とキスをしたりと経口でも感染します

予防法としては、噛まれたり引っかかれて傷を負わないように気を付けることはもちろん、過剰なスキンシップは避けるようにしてください

猫ひっかき病(バルトネラ症)

猫ひっかき病は、猫に噛まれたり引っかかれてバルトネラ・ヘンセンという菌に感染する病気です。

症状は主にリンパ節炎で、猫に噛まれたり引っかかれた傷が数日後から赤く腫れ、手の傷なら脇の下のリンパ節が、足の傷なら足の付け根のリンパ節が腫れあがります。ほとんどの人で微熱が続き、吐き気や全身倦怠、関節痛などがあります。重症になると視力障害や脊髄障害、麻痺や意識障害を発症することもあります。軽傷の場合は自然に治ることが多いですが、治るまでに数週間から数か月かかることもあります。

この菌は猫に寄生するノミが媒介することが多いので、飼い猫を外に出さないようにしたり、定期的なノミの駆除を行うようにしてください。猫の爪は常に切っておくようにしましょう

カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症

猫の約60%保有しているカプノサイトファーガ・カニモルサスという細菌を原因とする感染症です。

猫に噛まれたり引っかかれてから発病するまでの期間(潜伏期)は1~10日ほどで、発熱、腹痛、吐き気、頭痛、倦怠感などの症状がおこります。重症化すると敗血症や髄膜炎をおこし播種性血管内凝固症候群(DIC)や敗血性ショック、多臓器不全に進行して命に関わることがあります。

予防法としては他の感染症と同じです。日頃から猫と触れ合った後は手洗いなどをするようにしましょう。

猫に噛まれてしまった時の応急処置

噛まれてしまった時の応急処置

猫に噛まれたときや引っかかれたときに菌に感染する可能性が高いので、傷口をそのまま放置しておくのはよくありません。

どのような応急処置をしたらいいのでしょうか。

傷が深くないとき

出血していない、血が出ていても少量の場合など、傷が深くないときは、

  1. 傷口を流水でよく洗い清潔にします。
  2. 石鹸をよく泡立て傷にのせて優しく洗いましょう。石鹸の界面活性作用により菌を浮き上がらせることができます。そのあと水でよく洗ってください。
  3. 傷口を消毒してください。化膿することや傷口の腫れ、感染症の可能性を下げることができます。

処置の後も痛みが続いたり、腫れてくるなどの症状が現れたりしたら病院で診てもらうようにしてください

出血しているなど、傷が深いとき

細菌が体内に入ってしまうと重症化してしまう恐れもあります。傷が深いときには一刻も早く病院で診てもらう必要があります。病院へ行く前にしておきたい初期対処は、

  1. できるだけ早く流水で数分間洗います。
  2. 血が止まらないときは、ガーゼや清潔なタオルなどで圧迫します。時間が経ってから圧迫すると体内に菌を入れてしまうので、洗ったらすぐに圧迫してください。
  3. なるべく早く病院で診てもらいましょう

実際に猫に噛まれて病院で診てもらいました

病院

私が猫に噛まれてしまい、実際に病院で診てもらった時の体験をご紹介します。

猫に噛まれてしまった時の状況

調子の優れない愛猫が布団の中で寝ているところ、うっかり口元へ手を入れてしまい親指の腹をガブっとされてしまいました。何度も噛まれたことはありますが、今までに経験したことのないくらいの本気噛みで、指の肉を噛みちぎられると思いました。すぐに水で傷口を洗い、消毒し絆創膏を貼りました。いつも通りそのうち痛みも引くだろうと思っていましたが、時間が経つにつれ噛まれたところが腫れてきて痛みも増していきました。怖くなってネットで調べると「敗血症、骨髄炎、最悪命に関わることがある」と書かれていて不安もありましたが、まさか自分は平気だろうと思い病院へは行かずそのまま様子を見ることにしました。しかし、丸一日経った翌日、あまりの激痛に「これはおかしい」と思い病院へ行くことにしました。

病院へ行く直前の噛まれてしまった指の写真です。

猫に噛まれたときの写真

 

病院は何科へ行ったらいい?

私が病院へ行った日は祝日だったので、近くの救急病院を探しました。病院へ行く前に電話で「猫に指を噛まれて腫れてしまって痛みがある」ことを伝え、診察してくれるということでいざ病院へ。診察の第一声目が「もっと早く病院に来ないと。菌が体に回ってたら大変ですよ!」でした。まず血液検査のための採血をし、点滴をしたまま噛まれてしまったところのレントゲン検査をしました。幸いにも菌は体に回っていなかったので、傷口内に溜まっている膿を出す作業になりました。傷口が完全に塞がってはいなかったので切開はしませんでしたが、膿を洗い出す作業がとにかく痛い!痛みに耐えるのにタオルを噛んでいました。

次の日に皮膚科を受診してくださいとのことだったので、皮膚科の先生に診てもらいました。その時言われたのが、猫の牙は注射針のようにスっと深くまで刺さってしまうので注意してくださいとのことでした。この日もまた溜まった膿を出してもらいました。痛み止めと抗生物質と化膿止めの塗り薬をもらって、次は一週間後に診せに来てくださいとのことでした。

一週間後に病院に行くころには痛みはありましたが殆ど膿はでなくなっていました。このままの状態が悪化しなければ病院へは来なくて大丈夫とのことだったので、私の通院は三回で済みました。

その後、傷が完全に治るまで三か月かかりましたが大事に至らなくてよかったです。

私の場合は皮膚科でしたが、傷の状態や症状で外科や整形外科、形成外科になることもあると思うので、最初の診察は総合病院へ行くことをお勧めします。病院へ事前に確認しておくとスムーズに診察してもらえると思います。

ひかる
痛みや腫れがある時は早めに病院へ行ってください!

まとめ

猫に噛まれてしまったときのまとめ

猫と一緒に暮らしていると少なからず噛まれてしまったり引っかかれてしまうことがあると思います。病院へ行くようなことは滅多にないかもしれませんが、猫の口の中にはたくさんの菌がいることは覚えておいてください

できれば小さな傷でも病院で診てもらうことをお勧めします。また、猫に本気で噛まれてしまったときには、痛いですが大声を出したり無理に放させようと叩いたりしないようにしてください。猫が驚いて余計に深く噛まれてしまう可能性があります。

私は三回の通院で済みましたが、切開や縫合手術をしたり入院する場合もあるので、おかしいと思ったらすぐ病院へ行くようにしてください。

噛み癖のある猫ちゃんには、噛むことを止めるようにしつけをしてあげることも大切ですね。